ココアの缶を持った瞬間、
シンの言葉が浮かんだ。


「…そっか…」


答えは、簡単だった。

ただ、信じればいいだけ。

シンの言葉を、信じればいい。

そんなの簡単だ。だって、シンはあたしに嘘なんて言わないから。

走り出す。まだ間に合うはず。

だってシンは、待っててくれる。


「シン…!!」


シンの背中に、抱きついた。


「好き…大好き、シン。好き…」


それしか言ってない。言えなかった。

だけどシンは、わかってくれる。