呟くように言われた言葉はうまく聞き取れなくて。 だから聞き返そうとしたのに、遮るように髪を撫でられた。 「気にすんな。怪我すんなよ」 「しないよ!」 ふっと笑ったシンは、コートに戻って再びバスケに参加した。 「ほんっと、倉沢はわかりやすいよね」 「凛ちゃん!」 「独占欲の塊」 「え?何それ」 「礼奈は知らなくていいよ」 にこりと笑った凛ちゃんは、 「そっちの方が面白いし」と言った。