綺麗な顔を設置してるその人は、





すごく気まずそうに首の後ろをさすった。







「…………ひ、久しぶり。」







彼の声が、靴を履くと同時に聞こえた。






……………よかった……………。






家の方向逆だ。







「…………久しぶり………」






「…………………………あ、あのさ、」






「そ、それじゃ、またね」






あたしは足早にそこから逃げたかった。





しかし、





「ちょっと待って!」





拓也くんから、止められる。






「…………正門まで…………。

あ、いや、やっぱりいいや(笑)」






「………………そっか………。じゃあね?」






「おう。また。」








あたしは、拓也くんを置いて、





正門へと歩いた。







“正門まで…………”





“一緒に帰らない?”そう続くの?








そんなの、気まずくて出来ないよ。






……………あたしは、正門を右へ曲がった。




鍵のかかっていない…………




我が家に帰るため━━━━━━━。