「あれ?なんであたしここにいるの?」

目の前には大きなドーム

今日はあたしの誕生日。

だからほらあたしも紀恵もオシャレして…

「は?そりゃあ、ITSUKIのコンサートだから?」

紀恵が馬鹿にしたように話す。

え?え?え?

あたし、今日まで一体何して過ごしてたの?

なんて思うぐらい2.3週間前の記憶がない

「ほらっいくよ!もうすぐ始まっちゃう」

紀恵が急かすようにあたしの腕を引っ張る

「えっと…何番ゲートだっけ…?」

うー…うでがいたい…

「あっここだ!」

ズカズカと入っていく紀恵。

「はい、これ優希のチケットね」

無理やり持たされたチケットをスタッフに見せて中にはいる。

「えっとぉ…どこの席だろ?」

…どこでもいいよぉ…もぉ…

「あっ、あそこだ!うわぁ!やっぱり近い!」

「って近っ!」

席を見るとメインステージの最前列。

「んふっそうでしょ?」

自慢気に紀恵が言う。

「え…うん。」

そう言って席に座る。

「はい、これ」

そして何時の間に買っていたのか、ペンライトを渡される。

「あ。うん」