「いえ、大丈夫です!
楓先輩、雅先輩の事よくわかってるんですね?」

 にこにこと姫香は笑った。

「まあね~」

 ハハッと楓も笑いながら答えた。そして、
「あ!そうそう、雄大先輩が今後の役割分担しようかって言ってたよ?」と続けた。

「じゃ、食卓に…」

 聞くなり、いそいそと巡は食卓に向かった。

「あっ、私も…」

巡に続いて姫香も向かおうとしたが、それは楓に阻止された。

「――姫…、…あんま無防備にすんなよ?」

 楓はいつもと違う口調で姫香に話しかけた。

「――それ、さっき巡先輩にも言われました~」

 姫香は暫しきょとんとしたが、えへへーと能天気に笑う。

「巡先輩が?」

 それを聞いた途端、楓は顔を歪めた。
(あの巡が忠告するだなんて、危なっかしいな)

「はい、女は私しか居ないから心配してくれたみたいで…」

 姫香は頷いて、にこにこしながら答えた。