それを見たカナは、人ごみを押しのけ、夢中でハロウィーンコーナーへ向かっていった。

カイトは、仕方ないなという顔をして、カナの後を追い店に入っていく。

カイトは、カナは目を離すとすぐにどこかへ行ってしまう、ということを知っていた。

どこかへ行ってしまったってカイトはどうでもいいのだが、

そのまま家に帰ると、カナのチクリで、うちのオカンがそれはもう、うるさいうるさい。

カイトは、黒いキャップ帽を深くかぶって変装しているから、とうてい周りには本人だとバレないだろう。

「わぁっ、これ、めっちゃカワイイ!!」