カイトは、どこか、その北欧らしい平凡な名前に、 引っかかるものがあった。 しかし、横から、 「カイトも、早く彫ろう!」 と、カナが言ってきたので、そんなことは忘れてしまった。 その後、二人は黙々とカボチャを彫り続けた。 途中で、「わぁ、危なっ!」とか、 「ぎゃっ、彫り過ぎた!」 などという、カナの奇声があがったのは別として。 ーカイトの腹時計で約1時間経った頃、 ランタンはほぼ出来上がった。