「い、いいじゃない、別に。」

カナが、そそくさとカイトから目をそらした。

カナは、昔から、不思議なものが大好きだった。

魔法とか、サンタなんて、いないと皆が言い出して、

半分納得していたが、その一方、半分納得出来なかった。

(この世にはきっと、奇跡だってあるんだから、どんなことが起きたっておかしくない。)

それが、彼女のポリシーだった。

だから、サンタも信じたかったーというより、信じていた。

その老人は、そんな二人の様子を見て、はっはっと豪快に笑った。