ガタン、ゴトン、ガタンゴトン‥‥。

加速していく電車。

まるで、私の故郷と私を、切り離していくように。

「葵ーー!!」

私を走って追いかける、友達の声が風と共に消されていく。

私は、必死に涙をこらえながら、見えなくなっていく皆に手を振りかえした。

ふと、私の目はある人に釘付けになった。

俊だ。

ー海崎 俊。