「あら、空ちゃんじゃない~!
 おっきくなったわねぇ~。」

「おばさん、お久しぶりです!」

「空ちゃんかぁ~!美人さんになったなぁ~!はっはっは!」

「そんなことないですよ~!」


これから、お世話になるおじさんとおばさん。

小さい頃、よくここにお泊りしてた。

中学生ぐらいになって忙しくなったから

行けてなかったけど…。


「あの、今度からお世話になります。
 いろいろとご迷惑かけると思いますが…。」

「そんなぁ~。全然、迷惑じゃないわよ~。ふふ」

「そうだぞ~!もっと、だらけていいんだぞ~!はっはっは」


相変わらずのおじさんとおばさんだ。

昔から変わらないなぁ。


「そうだ!空ちゃんの部屋、用意しておいたのよ。良かったら、見ていかない?」

「そんな!私の部屋を用意してもらっただなんて…。」

「気にしないで~。なんたって、娘も息子も大きくなってここを出て行っちゃったでしょ~。ちゃんと、毎日掃除してるからそんなに汚れてないはず。」


そういって、にこっと笑ってくれたおばさん。

申し訳ないなぁ。居候の身分なのに。


「じゃあ、お言葉に甘えさせて…。」

「じゃあ、早速行きましょうか。」


2階に上がると私にしては結構広めの部屋が用意されていた。


「ここは、元々娘の部屋でね~。やっぱり、女の子だからそっちの方がいいかなと思って。荷物とかは、いつ運ぶ?」

「あっ。えーと、早くて来週の日曜日にお願いできますか?」

「うん、大丈夫よ。家具とかも自分のを持ってくる?」

「いえ!ここので結構です!」

「そお?わかったわ。おばさん、下に降りるけどしばらくここにいる?」

「はい!」


ゆっくりしてね。そう言うと下に降りていった。


「空に近いなぁ~。手を伸ばせばすぐに届きそう。」


なんとなく、手を伸ばしてみる。

窓が少し大きめでバルコニーもついていたから、

空の青さをより近く感じられる。