- ガッタンゴットン ガッタンゴットン


初めて乗る都会の電車に揺られながら、

窓の外に見える高層ビルの高さに感動する。

元々、あたしの住んでた町はここから車で3時間半ぐらい。

電車は2つ乗り換えて、バス3本乗り換えてそこから徒歩15分で

やっとつく街。そこでずっと過ごしていくんだと思ってたのに。


今年の4月から都会の高校に転入することになった。


今日は、今度からお世話になる親戚のおばさんたちへの挨拶と

少し高校までの道のりや高校の様子の下見などのために都会へ向かっている。


それにしても…、みんなおしゃれだなぁ…。

メイクもして、流行の服を着て、ケータイを片手に音楽を聴いたりしている。

こういうの都会では普通なのかな?やっぱり、田舎とは違う。



『○○駅ー、○○駅ー、お降りのお客様は
 自動ドアにお気を付けください。』


アナウンスではっと我に返る。

危ない、危ない。危うく、乗り過ごしそうになった。

ホームに飛び出すと、頭上では、私の名前

【新宮 空】

と同じ綺麗な空が広がっていた。


なんかいいことが起きそう。

そんな予感がする。