天然鈍感美少女と甘々裏表王子

「りゅう、が…食べ、られ…ちゃう…」
どんな夢見てんだ…?
「ん…。や…特盛パフェ……来ない、でぇ……」
大丈夫か⁉︎
パフェが追いかけてきてるのか⁉︎
「…プリン……来た…」
プリン⁉︎
「りゅ、う……逃げ、ちゃ…ダメ……」
ダメなの⁉︎
「龍な、ら……勝てるよぉ…」
………終わった…
長い寝言だった…。
「ぅ…ぅん…。りゅう…?」
起きた?
「おあよぉ…」
…まだ酔ってんだな…。
呂律回ってないし…。
「あれ…?龍、ずっと居てくれらの?」
「うん。ってか、沙羅が言ったんだろ…」
「えへへ。そっかぁ…」
うっわ…
めっちゃ可愛い……
「まだ休むか?」
「んーん。もう、らいじょうぶ…」
「…いや、大丈夫じゃないだろ……」
「龍…、後夜祭行かないの?」
後夜祭?
あー、そんなもんもあったな。
「沙羅が行かねぇんなら行かねぇよ。沙羅、後夜祭楽しみだろ?」
「え…何で知ってるの…?」
「そういうの好きそうだから」
「うん、楽しみだよ!でも、龍は行って?」
何で?
「あたしのせいで行けなかったって言うのは、嫌だから…」
「…ばーか。沙羅がいねぇとつまんねぇだろ。沙羅が行かないんだったら俺も行かねぇの」
別に、行きたいって訳じゃねぇし…
「そっか…。」
「うん。だから、早く直せよ?」
「うん!分かった!」

「ん。おやすみ沙羅」
「おやすみ、龍」
そして沙羅は目を閉じ、静かに寝息を立て始めた。
【side沙羅】
「ひーまー」
今はもう11月。
そしてあたし達の部屋にみんなで集まっている。
「聡君!よかったら、わたしと出掛けない…?」
和恵⁉︎
「え…。あ、うん//」
「じゃあ、わたし達はでかけてきます!」
「聡頑張れ」
え、仁お兄ちゃん何で頑張れ?
「…何2人とも驚いてんだ…。聡は穂波の事好きだろ」
え、えぇえ⁉︎
「あら、知らなかったの?」
ま、舞も知ってたの⁉︎
「じゃあ私はお邪魔させてもらうわ。仁も行くわよ」
「あ"?俺もかよ…沙羅。俺と舞も出掛けてくるから」
え、ちょ…
いつからそんなに仲良くなったの⁉︎
「んじゃあ、俺らもどっか行く?」
「へ⁉︎」
「デート」
で、ででででデート⁉︎⁉︎
「嫌ならいいけど」
「嫌、じゃない!」
初デートだ!
「行きたい!」
「どこ行きたい?」
「……ど、どこでも」
「…遊園地とかでも行く?」
「うん!」

A.M10:00
あたしと龍は今、遊園地に来ています!
「何から行く?」
「ジェットコースター!」
「…最初からかよ…。」
「龍〜!はーやーくー!」
「テンション上がり過ぎ」
だって…
「初デートだもん。テンションも上がるよ!」
「…っそうか」

あー、楽しかったぁ!
「ご、5回も連続…とか……」
「次はどこ行く〜?」
「お化け屋敷」
ニヤリと笑い、龍はあたしの手を引きお化け屋敷へと連れて行った。

「りゅ、龍…っ」
「どうした」
「こ、こ、怖い…ですっ」
「ふぅん。ってか、少し離れて。いくら冬とはいえ、暑苦しい」
だ、だってぇ…!
「怖いんだもん!」
あたしは龍の腕に絡まっている腕を、ギューと抱きしめた。
「っだから、離れろって…」
「やだ…っ」
「……だから、さっきから胸当たってんだよ…!」
へ…?
「いいから、ほら。早く…「や、やだもん!」
絶対に絶対やだ!
「…何で」
「…こ、怖いもん……龍の近くに居ないと…泣いちゃいそう、なんだもん……」
うっ…
ダメだ…泣けてきた……
「あー、ったく…入るんじゃなかった」
えっ?
「ご、ごめんね…っ離れる、ね…」
「え、急に何で?」
「だ、だって…嫌、なんでしょ?あたしと、くっつくの…」