身体中に巻き付けられた無数の管を外しながら、俺は深いため息を吐いた。

「いきなり俺に投げるとか、酷くないっすか?」

目の前に佇むその人は、紛れもなく、陽の母親。


黒ずくめの彼女は真っ白なこの部屋に拒絶されているようだった。

「ごめんなさい。でも、あの子相手に隠し通せる自信がなかったのよ。」


目に涙を一杯に溜めて、彼女は訴えた。

そんな自信、誰にもなかったはずだ。

なにせ陽は賢い上に感がいい。