金欠だと美咲が騒ぐため、私たちは近くのファーストフード店に入った。

「ハンバーガー1つと、チーズバーガー1つ。あとアイスティーとコーラ1つずつとー、ポテトのM1つで。」

慣れた感じですらすらと注文する美咲の姿が、珍しくかっこよく見える。



「はぁ。陽もこれくらいできるってぇ。」

美咲は半ば呆れたように言うが、できるんだったら私だってやってる。

「だってぇ…」

口ごもる私を見て、チャンスだとばかりに美咲がニヤニヤする。

「いぃーっつもあたしのこと頼りないみたいに言うけど、実際あたしの方が自立してんだからね!」

うぐぅ……

確かに、バイトもして、実は将来まで見越している美咲と、お嬢様育ちで美咲がいなければろくに街も歩けない私とじゃ、雲泥の差がある。


学力では負けないけど、社会的に私は未熟過ぎるのだ。