叩かれる、理由が判らない。 生きる理由が見付からない。 紅と同じ場所を叩かれて、目の前がチカチカした。 痛みも倍。 生きている事を実感すると、余計痛みを増す。 強制退室させられた、オバサン。 扉が閉まる直前、見えたのは紅の金髪だった。 「もう、帰る。」 夜中。 勝手に病院を脱け出した。 海岸沿いを歩いた。 点滴の痕を見付けてため息を吐いた。 こんな世界に、生きる意味を見出だせなくて。