確か、あの時彼女は3年だと言っていた。名前は倉橋星羅だ。
私は職員室にいた。今日は岡本先生がいるためHRをする必要がなかった。
机の上には答案用紙の束。
この間の試験の採点をしなければいけないのに、そんなことを考えてしまってどうにも作業が進まない。
いつ彼女が私を狙ってくるか…。
いやいや、彼女が影である証拠を掴む方が先か…?
もしかしたら私の勘違いで、別に影がいるかもしれないしね。
プレートが示していた校内の赤い玉。
確かにここに影がいる。
見えない敵から狙われている今の心境は、まるでジャングルに投じられたウサギだった。