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翌朝、出勤前に影の動向を把握するためにプレートを見ようとしたら、既にレオがプレートを手にしていた。
起きてきた私に気付いたレオは「おはよう。」と言って、私にプレートを寄越してきた。
私も挨拶し、それを受け取る。
……。
やっぱり、学校を示す場所に赤い玉がある。
私は深いため息をついた。
これは偶然じゃない。影は私の存在に既に気付いているんだ。
「お前はいつも通りにしていろ。オレがいるから。」
私の不安を察したのかレオはそう言った。
「うん…。」
私を安心させようとしてくれてるのは分かる。
でも私はレオがいなきゃ何も出来ない。
自分自身を守ることさえ出来ない。
私の予想が正しければ、学校で彼女が待ち構えているはず。これはレオも知らないこと。
私はまず彼女が影であることを確認する必要がある。
大丈夫。
不安だけど、レオもいるし、無茶しなければ何とかなるはずだ。
しかしその考えは甘く、あとで後悔することになるとは、今の私には想像も出来なかった。