「落ちてないなぁ…。」
学校に着くなり私は札を探した。あれから何日経ったんだろう。もしかしたらゴミと間違えて捨てられた可能性もある。
「どうしよう…。」
私は立ち上がり膝をはたいた。
ジンさんは別にいいって言ってたけど、あった方が絶対いいよね。
私は諦めかけていた。
すると、背後から声がした。
「先生、何か探してるんですか?」
後ろを振り向くとそこには心配そうにこちらを伺う女子生徒がいた。
「あ、そうなの。ちょっと、ある物を探してて…。」
「探してるものは何ですか?一緒に探しましょうか?」
と女子生徒は言う。
私は一瞬迷ったが、
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう。」
と言った。
物が物だし、私だけで探さないとな。
「そうですか。
あ、先生もしかしたら落とし物BOXにあるかもしれないですよ?」
女子生徒が職員室前のショーケースを指差した。