「それにしても…。」
ジンさんは私をジ~ッと見てにんまりした。
「ホント似てるよなー。名前もそうだけど、顔とか話し方とか。」
ジンさんは今度はレオを見る。レオの目が少し揺れた。
「えっと…。よく意味が分からないんですけど…。」
…ジンさんは何の話をしてるんだろう。
私には話が見えなかった。
誰に似てるっていうの?
「そりゃレオも守るのに一生懸命になるよ。だってマリアは…。」
ジンさんがそう言いかけた時、レオがテーブルを強く叩いた。
あまりの音の大きさと、レオの表情に私はビクッと体を震わせた。
「ジン、黙れ。」
レオはジンさんに対して本気で怒っているようだった。
こんな感情を剥き出しにしたレオを見るのは初めてだった。
「悪い悪い。」
と、ジンさんは大して反省もしてなさそうに言った。
「話はそれだけだ。なるべく早くに作ってくれ。」
レオはそう言うなり、早々にお店を出て行った。