「で、何かな?こんなところまでわざわざ来て頂いて。
はい、どうぞ。」
ジンさんは私たちの前に紅茶を出してくれた。
アールグレイのいい香りがする。私は"ありがとうございます"と会釈した。
「学校に影を封じるバリアを作って欲しいんだ。」
レオはジンさんを見据えてそう言った。
「…っ⁉」
何も話を聞かされていなかった私は思わずムセそうになった。
「そりゃあ、また大層な。」
ジンさんはニコニコしたまま言った。
「お前も分かってるはずだ。こいつを狙っている影はどんどん増えて来ている。まだ低級の影しか現れてないが、それも時間の問題だ。」
レオはギュッと手を握りしめた。