「ご飯作ったからいいから起きろ。」
ここに来てから律義にも毎食ご飯を作ってくれるようになった。人間生活が私より長いんじゃないかと疑うほどのクオリティ。
たまにお弁当を作ってくれたりする。職場の人にはついに彼氏が出来たんだ、とちょびっと騒がられてたりする。
「んー…仕方ないな~…。」
ドアの隙間から香るコーヒーの香ばしい匂いに誘われ、リビングへと歩いて行く。
「おはよう。」
レオは私にコーヒーをつぎながら言う。
「おはよー…。」
私はそれを受け取り鸚鵡返しで答える。
「寝癖がついてるぞ。」
「知ってる。」
今、起きてきたばかりだから、当たり前じゃない。