ドアを開け中に入る。パチッと電気をつけると、ひっそりとした部屋に暖かさが生まれた。


「ここがお前の部屋か。」

「そう、適当に座って。」


そう言い、私は鍵をテーブルの上に置いた。



部屋は1DKで一人暮らしにはちょうど良い広さだ。



「お茶飲む?」

「ああ、悪い。」


平静を装ってるつもりだけど、内心ドキドキしていた。

男の人なんか部屋に上げたことなんかなかったからだ。


お茶をいれる私の手が震える。





そんな私を心配したのか西野くんは

「大丈夫か?」

と声をかけてくる。



「あ、ああ、…大丈夫大丈夫。」

何故だか声も震える。我ながら緊張しすぎだ。



「そんなに怖かったのか?」

挙動不審の動きをする私を見て、校内で影に遭遇したことに原因があると思ったのか西野くんはそう尋ねてきた。



まぁ、それもないわけじゃないんだけど…。