考え事をして歩いていたからか、コツンと何かにぶつかった。その反動で少し私はよろめいた。
「あ、いた…。…すいませ…。」
顔を上げ前を見ると、それは西野くんだった。
「え…?何でいるの…?」
「お前を待っていた。」
そう言い、私の腕をぐいっと掴んだ。
「ちょ…っ、いきなり何…?」
「お前ん家ってどこだっけ?」
「は?」
「言っただろ?お前を守るって。」
心臓がドクンッと強く脈を打った。
何で西野くん相手にときめいてるのか分からない。天使の役目を務めるだけなのに。
守る、なんてずっと言われてることなのに。
「オレがそばにいれば影は近寄れないからな。」
だからって…、何で私の家に来るわけ?
私はドキドキする胸を抑えこむのに精一杯だった。
こうして、まさかの西野くんとの共同生活が始まったのだ。