"ヤバイ!!" 心臓が早鐘を打つ。 何がどうヤバイのか自分でも説明出来ないが、変な圧迫感を感じその場から動けない。 あ、そういえば札がカバンの中にあったはず! ゆっくり動く影に集中しつつ、私はピアノの横に立てかけてあるカバンを手に取り、札を取り出した。 まるで目でもついているのか、札を取り出すと同時に影はピタリと動きを止めた。 "今のうちだ…!" 私は影が動かないことを確認し、急いで音楽室を飛び出た。