「興味?」

「ああ、下界に行ってる奴らから、人間のことをよく聞かされてたからな。そいつにアドバイスしてもらったんだ。」




…天使にも色々な人がいるのね。


私は知らない世界を想像するのに既に疲労困憊していた。

久しぶりにこんなに頭を使った…。



下界やら天界やら影やら女神やら…。
本人は当たり前の一般常識のように話しているけど、全くもって理解出来ない。その辺は分かっているのか。




色々聞きたい気もするが、ここで根掘り葉掘り聞いてもキリがない気がした。それに私も授業の準備をしなくてはいけない。


私は話を一時中断し、


「…授業の準備があるから、続きはまた後でにしましょう。とりあえず、私はあなたに守られてればいいのね?」

と最後にもう一度念押しした。



「ああ。」

西野くんが頷く。




私は思考回路を現実世界へ戻しつつ、いそいそと音楽室へと向かった。