「あれ?先客居るの珍しい~」
扉が開かれ、男の人の声が聞こえた。
人が来るとは思わなかったが
先客、確かに私の事。
身動きせずにずっと寝転んでいた。
早く居なくなれ、そう願いながら。
「何年?」
気付けばその人は私の横に座っていた。
私も座り、その人をまじまじと見た。
髪の毛は明るい茶色で
香水臭くて
制服をだらしなく着ていて
Yシャツのボタンも開けてあり少しはだけていた。
顔は… 爽やかな感じ。でも、切れ長の二重の瞳の奥が怖い。
「もう一回聞くけど、何年?」
その人は徐に煙草を取り出して火をつけた。
「一年」そっけなく答える。
「一年がここ知ってんの珍しいな」
「そっちは?」
「俺は三年」
「ふーん」
三年か。ここ知ってる人やっぱり居たんだ。
「俺は三年。君は一年。なのに態度がなってないね」
怒ってるようには聞こえないが 返答が分からず「ちょっと早く産まれただけじゃん」そう答えると「確かに」 そう言ってケラケラと笑っていた。