「最近笑った?」
突然神谷は私を覗き込む。

「わかんない」
目をそらして答える。


「俺は毎日笑ってばかりだよ」
自慢じゃなくて
哀れみでもない

どことなく切なさや悲しさや、そんなような感情に似たもの。

神谷が私を見て笑う時
それはほとんどその表情だ。
私といればきっとみんなそうなる。
なのに神谷は何で私に話し掛けてくるんだろう。


まさか

言葉の弾みで出た 友達、そのせい…?

分からない。もう教室へ戻ろう。


「私、戻るね」

「かえちゃん、明日ね!」


教室は大嫌い。学校が大嫌い。その中の唯一の救いが屋上だ。

神谷が居てもそれは変わらない。