後で知ったことだが、和泉は目が見えていなかったらしい。


生まれつき、らしい。



幼馴染みで、親友だった俺は何も知らなかった。




そういえばと、俺はふと思い出す。


俺が持ってきた花を、いつも和泉は『綺麗』だと言ってくれた。



それは優しい嘘なのか。


だけどそんな嘘が、ひどく俺を掻き乱す。