「……全然似てないよ」


あたしが呟くと、アザラシはキラキラと目をうるわせた。


しばらく睨めっこを続け、何故か買い物かごの中にそっと入れてしまった。


あ……なんか、疲れたな。


一日を海遊館の周りで過ごしたあたし達は、旅館に戻る前に少し休憩をすることにした。


海遊館前のデッキで夕焼けを眺める。


ミナと男子は遠くに行ってはしゃいでいたけど、草太の件で疲れきったあたしは、ひとりで大阪湾を眺めいていた。


「おまえは行かないの?」


心臓がはねた。


草太も、ミナ達と一緒に遠くに行ったと思ってたから。