「え?亀を兄さんに!?」
あたしの手におさまる小さな亀のぬいぐるみを見て、ミナが眉を寄せる。
「なんで亀なの?」
「えー、なんかこの表情が陵雅さんに似てる気がして」
ほら。とミナに亀の顔を真正面から見せると、ミナはわからないと苦笑した。
んー……。まぁ、似てはないけど、なんか陵雅さんは亀のイメージがあるんだよね……。
なんでか知らないけど……。
でもまぁ、ぬいぐるみはあんまりだから、これにしよう。
あたしはぬいぐるみの隣にあった、更に小さな亀のぬいぐるみのついたストラップを選んだ。
ふと。何だか視線を感じてチラリと目を向けると、子アザラシの小さなぬいぐるみが、ゴロンと寝転びながらあたしの方を向いている。
『あのアザラシ、おまえに似てない?』
『超似てんじゃん。普段はゴロゴロと寝てるくせに飯の時だけ元気になって起きて来てさ』
さっき草太に言われたことが蘇り、思わず手に取ってしまう。