いた! あー、またポッキー食べてる。 計って、いっつも、ああやって、踊り場の手すりの上に両ひじを乗せて、空を見ながらポッキー食べてるよね。 なに考えてんだろ? ひょっとして……、彼女のこと、とか? そこまで考えて、このあいだの赤い車を思い出した。 春菜も池谷君も、大人の美人って言ってたけど……。 ま、いいや! 知らない人のことを考えたって、しょうがないもんね! 「計、お待たせ!」 「おう」