優羽は不満を抱えながらも、任された仕事は責任を持ってする。


報告書をチェックし始めた。


報告書は各学年五十音順に記載されている。


優羽は自分の名前を見つけた。


『駒居優羽 《特別処遇対象者〔理由〕生徒会役員の為》』



優羽は自分の欄を確認し、次の欄に目を移した。



『佐渡蒼空《特別処遇対象者〔理由〕空白》』



優羽はこの時、蒼空が特別処遇対象者である事を確定させた。


前々から〔恐らくそうだろう〕とは思っていたが、本人に聞くという選択肢は優羽の中になかった。


〔理由〕空白


がほんの少し気になったが、優羽は他人の事を詮索する事が好きではなく、そのまま流した。


それよりも、とにかく《特別処遇対象者》であったことに[優羽自身の自覚は無いのだが…]ほっとしたのだ。