そろそろ帰ろうかとなったところでいきなり降り出した雨













既に帰路を歩き始めていた私達は大雨に打たれ、兎に角その場から一番近い早瀬川くんの家に逃げてきた訳だけど
















「・・・にかいめだぁ」







ボソッとつぶやく











あの時と変わらない景色になんだか少しホッとする

















「一ノ瀬さんお待たせ!これ使って」












まだ濡れた制服を身に纏ったままの早瀬川くんが私に差し出してくれたバスタオルと見覚えのあるスウェット












「俺はあっちで着替えてくるから」












そう言ってまた脱衣所の方へ行ってしまった早瀬川くん












あの時は、もうこの家に来ることはないって思った










1回きりの奇跡だって