「そんなわけないよ。動物がラブレターなんて書けるはずないし、もしそうだとしたらノーベル賞ものだよ?ギネスにも載るんじゃないかな」
エイジの嫌味に真面目に返事をするのは、毎度お馴染みのノブ。
かなりの天然キャラで、冗談が通じない。
だけど、そこが萌えポイント。
大きくてくっきりした二重が印象的な可愛い顔立ちをしている。
その笑顔は万人の母性本能をくすぐり、この学校の女子も悩殺された人が多数いる。
ちなみに私の幼なじみでもある。
「で、相手は誰なの?」
エマは興奮気味に私に詰め寄る。
面白い事でも見付けたかのように、なにかを企んでいるに違いないであろう顔。
鼻高々に優越感に浸りたい気持ちに駆られたけど、エマやノブやエイジにとってラブレターはもらい慣れているものだろうからなんの自慢にもならない。
エイジに至ってはそんな事で優越感に浸るな、と逆にまた言い返して来そうだったからなにも言わずにおくとしよう。
「もったいぶらないでさー、誰なのよ?」
返事をしない私を見て、エマが痺れを切らしたように何度も同じ質問を投げかけて来る。