「きゃあ」
なに今の音‼
めちゃくちゃ怖いんだけど……‼
「……オっ‼」
へっ……⁉
今、誰かの声が聞こえたような……
気のせいかな?
立ち上がって辺りをキョロキョロ見回す。
ガタガタガタッ
「シオ‼」
この声は……
「エイジ⁉」
ウソ、まさか本当に来てくれるなんて。
暗闇の中、重い鉄の扉が音を立てて動くのがわかった。
「シオ……、良かった」
体育館には電気が点いていて、その眩しさに思わず目を瞑る。
「エ、エイジ……っ」
エイジのホッとした声を聞いたのと、助かったという安心感で一気に張り詰めていた緊張の糸が切れた。
「こ、怖かった……っ」
誰も来てくれないかと思ってたから。