「ちょっと!ねぇ!待ってよ!」


いくらそう叫んでも、もう誰も返事をしてくれない。



絶対絶命の大ピンチ‼



マットの匂いなのか、独特な嫌な匂いまでして来て更に気分が沈んでいく。


閉じ込められてしまった。


埃っぽくてジメジメする体育倉庫の中に。


今時そんなのドラマや携帯小説でしか見た事がなかったのに。

こんな事をする人が本当にいたんだ。


まさか、自分の身にそれが起こるだなんてね。


「はは。ありえない、マジで」


その場にペタンと座り込む。


もし、もしも。

このまま誰も助けに来てくれなかったら、一晩ここで過ごさなきゃならないって事?



幸いにも今は夏だから、寒さで凍え死ぬという事はないけど。


でも


トイレは?

ご飯は?