身長が高いのをいい事に、涼しげな顔で私を見下ろすエイジ。
手紙と私を交互に見つめているその顔は、明らかに私をからかって楽しんでいる。
「もー、早く返してよ！」
「待てよ、今読んでんだよ」
「あんたに読む権利なんてないから！」
152センチの私と180センチのエイジでは、身長差がありすぎてジャンプなんかしたところで届くはずかない。
それでも必死の私は返して欲しくて目一杯ジャンプした。
人の気持ちを踏みにじるような行為をされている事に、段々ムカついて来た。
「ぶはっ、おまっ、やめろって」
腰をくすぐると、エイジは案の定それから逃れるように身をよじり始めた。
それでも手紙を持つ手は未だに高く掲げられたまま。
「あははっ、うひゃひゃ────おまっ、マジやめろ！ぶっ、くくっ」
「手紙返せ！そしたらやめる」
茶髪に染まった綺麗な髪が、身をよじる度にゆらゆら揺れる。
