ブーブー文句を言うエマをよそに、ラブレターの相手を頭に馳せる。
どんな人なんだろう。
中を見てみたいような気もするけど、なんとなく気恥ずかしい気もする。
でも今時ラブレターをくれるだなんてベタな事をする人もいるんだね。
もったいなさすぎて、封を切る事が出来ないよ。
メールや電話より誠意を感じるのは私の気のせいかな。
そんなこんなで、さっきから顔が綻んで仕方ない。
「いつ読むの?」
エマはどうしても差し出し人が気になるようで、私が話題を変えてもラブレターの相手を知ろうと必死になっていた。
「とりあえず、帰ってから読もうかな」
学校なんかで読んだら絶対エマに聞かれるだろうし。
もしかしたら、一緒になって読まれるかもしれない。
「でも、放課後ここへ来て下さいとか書いてあったらどうするの?」
エマは目をキラキラさせながら、学校で読んで欲しいという事をアピールして来る。