あ、お兄ちゃんモード。

そんな名良橋君を見て、思わず笑みがこぼれる。



「何笑ってんだよ」

「ううん、何でもない」



言いつつ、にやけるのを我慢出来ない。

そのときふと、ある考えが頭を掠めた。

そうだ……!



「ねぇ名良橋君!今週末、誕生日だったよね?」

「あぁ、そう言えばそうだな」

「もしよかったら、由羽ちゃんも含めてどこかに遊びに行かない?うちじゃ何もないし」



ココアを啜る名良橋君に笑いかけ、返事を待つ。

名良橋君は少し考えるようにしてから、小さく頷いた。



「……でも、大会近いから今週末は厳しいかも」

「そっか。じゃあ、いつなら大丈夫そう?」

「多分、大会の次の日が休みだから、その日にしよう」