「このままじゃ埒あかねぇから、警察呼んで」

「んだと……!?」

「まぁ、この状況でどっちが有利か――ガキじゃないお兄さんなら、考えたらすぐわかるだろうけど」

「……っ!」



名良橋君の冷たい声が響き、足音が去っていく。

これは……大丈夫、だったのかな?

恐る恐る玄関を開けると、そこには額に汗を浮かべた名良橋君の姿が。



「ちょ……汗だくじゃん!」

「まぁ、走ってきたからな」

「ちょっと待ってて。タオル持ってくるから」



慌ててお風呂場に向かい、バスタオルを持って名良橋君の元へと向かう。

バスタオルを受け取った名良橋君は頭にそれを被せ、額の汗を拭った。

こんな何気ない仕草もかっこいいなんて、ほんとずるいなぁ。



「……助けてくれて、ありがと」