「村瀬君の家はこの辺なの?」


「俺のことも奏哉で良いよ。すぐそこの店舗兼住宅。てか、小さなビルだな」


「パパ達がお店してるの。」


奏が必死に説明していた


「俺らは看板娘と看板息子」


「へぇ~。行ってみたいなぁ。あっ、あたしの家此処だから。」


花歩の家の位置を見て驚く


……真向かいかよ。


「俺んちそこ」


俺は真向かいの自分の家を指差す


「ご近所さんだね。宜しく」


花歩は笑顔だった


「両親は?」


「小さい頃に離婚してお父さんと2人暮らし。でも、根っからの仕事人間だからほとんど家には居ないの。優しいんだけどね」


そう言った花歩は寂しそうだった


「奏のお家おいでよ」


「えっ…?」


「1人は寂しいだろ。来いよ」


花歩の寂しそうな表情を見たら放っておけなかった