そして、俺と花歩は着替えることになった


今度は黒へと着替えて花歩が出てくるのを待つ


カメラマンはシャッターを切る手を休めない


ありのままを撮りたいんだろうな


「奏哉、ありがとうな。いろいろ準備してくれて」


いきなり利一さんにお礼を言われた


「良いんです。花歩との思い出を作りたかったし」


1番に花歩の願いを叶えてあげたかった


“ウエディングドレスを着て可愛くなる”という夢を…


「花歩の写真は小学5年以来撮ってなかったんだ。君と出会うまでが空白さ。写真は1枚もない」


「その分の空白はこれから埋めていけば良いんです。時間はたっぷりあるから」


空白を未来に変えるのが俺の役目


「結婚式は挙げれないけど、せっかくだからお色直しした花歩との写真も撮ってくださいよ」


と言った矢先、花歩が出てきた