「じゃあ、これは花歩に。」


あたしは小さな箱を受け取る


中身は指輪


「この前ももらったのに…」


「これ、俺がデザインした結婚指輪。急いで作ってもらったクリスマスプレゼント」


ニコッと笑う奏哉


「まだ、入籍は出来ないけど、これ付けてて。花歩は俺のものだから」


意地悪く笑う奏哉はどことなく嬉しそうだ


「子供も居ることだしそのうちちゃんと籍入れるから」


奏哉の決意は固いみたい


あたしは頷くしか出来なかった


「明日は智人さんのところにも行かなきゃだからな」


「そうだね。何の用事なんだろ?」


奏哉は“きっと良いことだよ”と言っていた


時計を見るともうすぐ日付が変わる


「17歳も後少しだ」



「そうだな。花歩、出会ってくれてありがとう。」


奏哉は優しいキスをくれた