「花歩、思い出したんだな」


ゆっくり引き寄せると花粉は頭を傾け俺の肩に乗せた


「動けないってどういうこと?車椅子なのも理由があるんだよな?」


「車椅子を使って生活しなきゃいけないくらいの災難が降りかかったんですよ。今も入院してます」


「なんか聞いちゃいけないことに踏み入れたな。ごめん」


智人さんは申し訳ない顔をした


「明日が花歩の誕生日なんです。だから、許可もらって出掛けようって…」


デートプランは未定


だけど、花歩を見てると行きたいところが分かるんだ


「奏哉、明日の朝、花歩ちゃん連れてまた此処に来てくれるか?」


「良いですけど…なっ、花歩?」


「うん。良いですよ。でも、どうして?」


「それは内緒。明日になってのお楽しみ」


智人さんには考えがあるらしい