花歩を抱き寄せると嬉しそうにする


俺に抱き寄せられたまま愛おしそうにお腹をさする


----トントン


「誰か来たね。どうぞ?」


「花歩、元気?」


「梨莉、お疲れ様。」


入って来たのは梨莉だった


「顔色も良さそうだね。もしかして、固定してたの取れた?」


梨莉は気付くのが早い


「取れたよ。でも、しばらくは車椅子の生活が続くみたい」


「そっか。無理しないでね?」


花歩は“ありがとう”と言うと何かを思い出したようだった


「奏哉、1番下の引き出しの中から紙袋取って?」


花歩が指定した引き出しには花柄の紙袋が入っていた


「梨莉、それね、あたしからのプレゼント」


「えっ…?あたしに?」


俺は花歩の代わりに袋を渡す


梨莉はその袋を不思議そうに見ていた