「楽な体勢で良いからな。けど花歩、痩せすぎ」


「痩せすぎって言われても…。食べたくないから仕方ないよ」


それもそうだけど…


俺は優しく花歩を抱き寄せた


「うふふ。嬉しいなぁ」


病院じゃ、こんなこと出来ないしな


顔をスリスリさせてる花歩が可愛い


これはずっと甘えたかった証拠。


「おねーちゃん…?」


……奏が来たな


今は奏が優先か


「奏ちゃん、久しぶり。此処においで?」


“此処”とは俺と花歩の間


奏は嬉しそうに近寄って来て花歩の胸に顔を埋めていた


「しばらくみない間に大きくなったね」


奏は病院に行くのを控えていた


“花歩に会いにいかねーの?”と聞いたら“苦しんでるお姉ちゃんが可哀想だから行かない”と言っていた


奏なりに考えてるんだな。