「なんでそんなこと考えたんだ?」


俺は優しく声を掛ける


「だって…。奏哉に迷惑掛けてばっかりで申し訳なくて…。甘えてばっかりで何も出来ない自分が惨めだったから」


だから、死のうとしてたんだ


「俺、言ったよな?花歩を失いたくないって。確かに受験で大変だけど花歩も大事。だから、俺から離れんのだけは止めろ」


花歩が居なかったら俺が俺じゃない


「奏哉は良いの?あたし迷惑掛けてばっかりだよ?」


「花歩は花歩のままで良いの」


ありのままの花歩で居て欲しい


「今まで災難が重なってるし入院生活が長引いてるし学校にも家にも行けなくて不安になってるんだよな?」


花歩は小さく頷く


「泣いて良いよ。思いっきり泣け」


花歩を抱き抱えてベンチに座ると大粒の涙を流しながら泣いていた