少し古びたドアをゆっくりと開ける


だんだんと肌寒くなって来ている


周りを見渡すと車椅子から降りて地べたに座っている花歩の姿


「花歩!!」


俺の声にびっくりしている花歩


「来ないで!!」


今までに聞いたことないくらいの大声だった


車椅子の周辺を見ると血だらけ


花歩は必死に四つん這いしていた


「花歩、それ以上先に行くな!!」


先に行ったら落ちる。


俺は花歩を抱き寄せた


そして、後ろから優しく抱きしめる


「グス…」


「お願いだから俺の前から居なくなるな。」


花歩を失ったらしばらく立ち直れない


「あたしなんか居なくなれば良いよね…。だから、離して」


花歩は必死にもがいている


「もしかして、死のうとしてた?」


俺の問いかけに素直に頷く花歩