「花歩は強いな…」


「あたし?強くないよ?」


奏哉だから甘えたくなる


奏哉だから弱音を吐く


「代われるものなら代わってあげたかった」


「大丈夫。奏哉は傍に居て?そしたら頑張れるから」


あたしは強く奏哉の手を握る


“離れて行かないで”という意味を込めて


「学校、どうだった?」


少し話題を変えてみる


「花歩が居ないから面白くない。楽しくない」


……即答ですか。


「麻依も寂しそうにしてるし佐々木も生徒の就職や進学でピリピリしてるし」


先生も大変なんだね


「お散歩行きたいな…」


点滴が取れないと行けないか。と自己完結させた


「点滴が取れたら車椅子押して連れて行ってあげるから頑張れよ。無理せずゆっくりな?」


あたしは微笑んで小さく頷いた