君が目を覚ました時

嘘だと思った。

だけど、嬉しかったんだ

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

花歩は目を覚ましそうにない


運ばれてからというもの誰かしら必ず顔を出してくれる


麻依、聖悟、利一さん、その他諸々


だけど、覚ましそうにないことが分かると揃って悲しそうな顔をする


麻依は泣きっぱなしだ


運ばれてから２日が経ったが目を覚ましそうにないので主治医も渋い顔をした


「気長に待つしかないのか…」


利一さんが呟いたその言葉に少し反応した俺


「奏哉君、花歩を頼むよ」


心配しながらも利一さんは出て行った


「奏哉、あんたも少し休みなさいよ」


母さんはまともに寝ていない俺を心配する


夜は遅いし母さんに休めと言われたなら休まなきゃいけない


俺は花歩の手を握ったまま仮眠を取ることにした